近年、多様性や働き方改革の影響で起業を志す人が増えています。
ですが、起業には様々なリスクが潜んでいます。
金銭面のリスクもありますし、市場や顧客のリスク、法務・規制のリスクもあります。
いざ起業をしたものの商品が全然売れず収入は雀の涙、しかも法律違反を犯してしまったなどとなったら目も当てられません。
ですが一度きりの自分の人生、チャレンジもせずに終わるのはもったいないという気持ちもよくわかります。
そんな人におすすめなのが副業から起業を始めることです。
この記事では副業から起業を始めることのメリットとデメリット、そしてデメリットへの対応策を紹介していきます。
副業から起業を始めることのメリット
副業から起業を始めることには一般的に以下のメリットが知られています。
1.安定した生活を続けられる
この記事を読んでいる人は雇用されている人が多いでしょう。
毎月安定した収入があり、収入の範囲内で無理のない支出を行い生活しているはずです。
養うべき家族がいる人も多いでしょう。
その状態で安定した収入を捨て、起業にフルコミットすることはかなりリスクの高い行為です。
ほとんどの人は正常な精神を保てないでしょう。
そして、どんなに優秀な人でも正常な精神状態でなければ判断を誤ってしまいます。
家族にも迷惑をかけることになるかもしれません。
副業から起業を始める場合はこの安定した生活の中で行うことが出来るメリットがあります。
安定した生活は正常な精神状態を保つのにもとても役立ちます。
正常な精神状態は正確な判断の基なので適切な判断を下せる可能性もあがります。
家族にも金銭的な迷惑はかかりません。
たくさんの失敗をすることが出来る
起業初期は絶対に失敗します。
断言してもいいです、あなたはたくさんの失敗をします。
なぜかというと初めから顧客の需要にマッチする商品、サービスを作るのは非常に困難だからです。
一般的に売れる商品を作るときは何度もサンプルで商品やサービスを作り、身近な人に使ってもらってフィードバックを受け取ります。そうしてフィードバックを基に何度もブラッシュアップをかけることで顧客の需要に合った商品やサービスが完成するのです。
最初から顧客の需要に合った商品、サービスを作るのはほぼ不可能なのです。
顧客の需要に合った商品ができるまで何度も何度も失敗をする必要があります。
しかし、起業初期は金銭的な余裕がないことが多いのでたくさんの失敗をすることを許容出来ません。
つまり、商品が完成するまでに資金が底を尽きてしまったり、未完成な商品を売り出してしまったりする可能性があるのです。
そうして早々に市場から退場してしまいます。
副業で事業を始めると安定した収入があるので、急いで商品、サービスを完成させる必要がありません。じっくりと顧客の需要に合った商品、サービスを考えることが出来ます。
また、そうしてじっくりと練られた需要に合った商品は、販売にそこまで力を入れなくても口コミや紹介などで売れていきます。
逆に顧客の需要に合った商品でなければ、販売にすごく苦労することになります。
需要のない商品を売ることは非常に困難で精神的に辛いものです。
失敗できるという環境は起業するにあたって最高の環境であるのです。
余談ですが、副業だと安定した収入があるので構築するのに時間がかかる販売チャネルを作ることも容易です。
構築するのに時間のかかる販売チャネルとは、今でいうとX(旧Twitter)やInstagramなどといったSNSやブログなどです。
こういった販売チャネルは育てるのに時間はかかるが無料でたくさんの顧客にリーチできるので、いざ商品ができたときに大いに役立つはずです。
また、見込み顧客と双方向でコミュニケーションが取れるので需要を収集することにも使えますし、テストマーケティングも行えます。
いまやSNSをやらない理由はないといえるでしょう。
副業から始めるデメリット
あまりメリットばかり並べたてても良くないのでいくつかデメリットも紹介しようと思います。
私は起業は絶対に副業から始めた方がいいと思っていますが、以下の2点のデメリットは確かに存在します。
1.時間の捻出が難しい
起業しようとしているのは多くの場合、社会人です。
現在、社会は人手不足でルールも細かくなってきており、働き方改革がなされていたとしても一人当たりの業務付加は高いです。
仕事が終わればもう疲れ切っていて副業をする体力など残っていないという人がほとんどでしょう。
また、それに加えて共働きで子育てをしている人も多いと思います。
現在、日本では核家族化が進んでおり、両親の援助などがない家庭も非常に多いです。
仕事、家事、育児だけで一日の大半が終わり自分の時間もまともに取れない中、副業なんて不可能だと思う人も多いでしょう。
家族の理解も必要です。
そういった中で継続的に時間を捻出していくのは並々ならぬ努力が必要です。
2.競合は専業である場合が多い
ビジネスを始めるからには副業であろうと競合が存在します。
そして競合は専業である場合がほとんどです。そういった市場環境の中で顧客に選んでもらわないといけません。
顧客からしたら副業だからとか全く関係がありません。
お金を出して商品、サービスを受け取るので、「この人は副業だからこれくらいの質でも仕方ないか」と顧客が思ってくれることは絶対にないです。
専業でやっている人と同じ土台で戦っていくには、副業であろうとしっかりと顧客の期待に応え、明確な強みを打ち出して他と差別化しないといけません。
それが出来なければなかなか売上は上がらないでしょう。
デメリットへの対応策
デメリットを紹介して、それに対する対応策を紹介しないのは無責任であると感じるので、以下の二つの対応策を紹介します。
作業を習慣化しよう
時間の捻出は、時間を作ろうと意識しているうちはなかなか難しいものです。精神的にもしんどくなることも良くあります。これは人間だれしも同じです。
そこでおすすめなのが行動の習慣化です。
行動を習慣化することで、無意識に作業に入ることが出来るので精神的な負荷を和らげることが出来ます。
きちんと習慣化がなされていたら、むしろやらないと気持ち悪いと感じるでしょう。
朝1時間早く起きて作業するであるとか、終業後にカフェで30分だけ作業するとか、何でもいいですが無理なく続けられる範囲で毎日作業するのが大事です。
はじめはこれでもしんどいとは思いますが、ひと月も続けると不思議とやらないと気持ち悪くなっています。これが習慣化です。
「なんだ、当り前じゃないか」「こんなこと誰でもできる」と思われるかもしれないが、多くの人はこれができません。
その最大の理由は高すぎる目標を作ってしまうからです。
こういった計画をたてているときは殆どの人が鼻息を荒くして高い目標をたててしまいます。
初めの1週間はできるかもしれませんが、高い目標を毎日こなすのは並大抵の根性ではありません。
2週目、3週目に入ると99%の人が断念しています。そして自分はダメだ、自分にはできないとあきらめてしまいます。
それはあなたがダメなわけではありません。方法がダメなのです。
習慣化は無意識で努力する土台を作る作業です。負荷が高いとどうしても意識してしまうので習慣化はできません。
目標は低く設定して、これなら絶対に毎日できるということを自信をもってやりましょう。
どんなに低い目標でも毎日やるとそれはとんでもない効果を発揮します。
顧客のニーズを誰よりも取りに行く
競合がいる市場で選んでもらうには強みを持って他社と差別化していく必要があります。
しかし、はじめから競合に対して明確な強みを持っている人は多くありません。なので強みを獲得していく必要があります。
ここで多くの人がつまずきます。強みの獲得方法がわからないからです。
そもそも強みとは何でしょうか?
仕事の質が高いことでしょうか?
いや、違います。
例えばとても急いでおり、仕事の質は2の次な顧客に対してはそれは強みにはなりません。
そのような顧客に対しては仕事のスピードが速いことが強みになります。
つまり、何が言いたいかというと強みというのは顧客が決めることだということです。
であれば強みはどうやって獲得していくのがいいのでしょうか?
それは顧客の声を誰よりも聴くことです。顧客の要望にできる限り応えていくうちに自分だけの強みが産まれてのです。
強みが産まれてきたら他社と差別化され、売り上げが上がっていくでしょう。
まとめ
現代社会は昔と比べ、非常に起業がしやすい環境であるといえるでしょう。
情報はあふれていて、商品やサービスを提供するアプリ、プラットフォームも整備されており、手軽に売り上げを獲得することが出来ます。SNSなどを通して無料で大多数にアプローチすることも可能です。
そういった環境もあり、起業は人生の中の身近な選択肢の1つとなってきているといえるでしょう。
ですが、起業にはリスクがあります。そのことを十分に承知してリスクをコントロールし最小限に抑えながらチャレンジしていくことが起業を成功させる大きな要因であると私は思います。
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